夫婦でたすきをつなぎ、2年掛りで作るシュトーレン

夫婦でたすきをつなぎ、2年掛りで作るシュトーレン

こんにちは、narino ファーマーの筒井です。

天草もすっかり秋という感じになりました。
とは言っても昼間の日差しはまだまだキツイ感じも残っています。

まだまだクリスマスなんて思いますが、我が家ではクリスマスに向けて2年がかりで準備しているものがあります。
もう既にお召し上がりいただいことがある方もいらっしゃるかと思いますが、シュトーレンをなぜ作り始めたのか改めて綴ってみます。

 

なんでシュトーレン?

なぜここ天草でシュトーレンを作ろうと思ったのか…
大した理由はないといえばないのですが、主たる理由は自分たちが食べたかったからです。

決して甘いものが嫌いというわけではないですが、最近のコンビニスイーツなんかはかなり甘いと思うんです。
ですから、自分ら好みのスイーツを作れないかな?と思ったこと。

そして、この2年ほどはあまりアルコールを消費しなくなったのですが、シュトーレンを作りはじめた2018年まではお酒も嗜んでいたので、お酒を使用した商品をという観点からでした。

お酒好きと関係あるの?と思われるかもしれませんが、シュトーレンに入れるフルーツは生果を一旦乾燥させて、ラム酒につけたものを使用しています。
シュトーレンそのものもラム酒の香りを楽しめることもありますが、フルーツを漬けていたラム酒が残り、これをベースにハイボールにすると格別なんです。

以上の2つだけだと「それだけ?」となりますが、うちの柑橘もそうですが近所の生産者さんでは大きさや形の問題で市場に出せない品が少なからず出る。これをそれなりの価格で買取り、そして商品化することが焼菓子事業の企業のコンセプトなんです。

実はこの最後の補足の点がシュトーレンを作るようになった最大理由です。

 

なんで2年もかかるのさ

くどくど説明する必要もないかもしれませんが、あえて一つ見出しをつけました。

メインに使用するドライフルーツは天草農工房ふぁおの柑橘「不知火(しらぬい)」です。
不知火は、デコポンとしても販売される品種の柑橘です。なんでデコポンと言わずに不知火というのか、「デコポン」JA熊本果実連の登録商標だからです。つまりJAを通じた販売以外では使用できない名称なんです。

この不知火、大体12月下旬〜1月中旬で収穫します。そして収穫が終わると次のシーズンに向けた作業が始まります。(植物ですので厳密にいうとくっきり別れていませんが・・・)
これが私たちのシュトーレン作りのスタートラインです。
そして春には新芽が吹き、ゴールデンウィーク頃に花が咲き、結実します。

そそてまた冬が来ると収穫です。これで1年です。

収穫した不知火を今度はスライスして、乾燥する作業をおこないます。ここから2年目に突入です。そしてここまでが私の担当です。
不知火もここまでくるとこんな感じになります。

不知火をスライスして乾燥させたものの写真

そして、ここでたすきを相方に渡します。
柑橘以外のフルーツも天草の生産者から仕入れて乾燥します。

ドライフルーツが出来ると今度はラム酒に漬けます。フルーツによって季節が異なるので旬に応じて作業を行っていますが、遅くとも9月頃にはラム酒に漬け込みます。

そして11月下旬からいよいよシュトーレンを作っていきます。
まずは試作です。年々でフルーツの組み合わせが変わりますが、2022年からはフルーツの種類を減らしてより柑橘の分量を増加させてます。
これらの味や生地とのバランスの確認です。この確認作業はもちろん私も参加します😁

 

増産できないわけは

ラム酒に漬ける頃、9月下旬か10月上旬からご予約の受付を開始しています。

そしてどんなに予約状況がいいからといっても増産して販売数は増やせません。

その理由は、先に述べたように使用するドライフルーツは輸入品などのもの買ってくるものではないからです。柑橘類以外の生果は買いますが、全て天草産です。

つまりもうシュトーレンを作る頃には材料を追加することができないんです。

ということで、この冬のシュトーレンは、その材料である柑橘の栽培は2021年1月頃からスタートして、2022年12月にお届けするので2年掛かりで作るシュトーレンなんです。

もし気になったら商品をのぞいてみてください。

 

 

ちょっと待って! 甘い物好きにはお勧めしません

あ、一つ言い忘れてましたが、うちのシュトーレンはあま〜いものではありません

確かに冒頭の写真のとおり粉砂糖がかかっていますが、生地には砂糖を入れていません。もちろんフルーツのラム酒漬けにも砂糖類は使用していません。感じる甘さはフルーツの甘さが中心です。

大人の味わい(甘さ控えめ)ですので、あま〜いものがお好きな方にはお勧めしません。ぜひ、ホットワインとともに冬の夜にお楽しみください🍷

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