カバー画像:小麦のイメージ画像

小麦価格高騰で問う「本当に国産・オーガニックだから安心?」


この内容は、「国産小麦、オーガニック、天然酵母」は要注意…人気の高級ベーカリーにひそむカビ毒のリスク科学的根拠を理解しているパン職人は少ない|科学ジャーナリスト松永 和紀著(PRESIDENT Online)の紹介です。 

 
「オーガニック」や「天然酵母」といった、今やほとんどのベーカリーで取り扱われている、国産小麦を使った高級パンたち。高値な価格設定もされていることが多いですが、パン食の手軽さに魅力を感じてしまうのも事実です。

しかし、最近の研究によると、こういった高級パンはカビ毒の危険性が隠れている可能性があるということがわかってきています。消費者も高級パンを購入する際は、そのリスクを十分理解しておくことが重要です。
 

なぜ、国産やオーガニックがよくないのか

特に小麦については、国産、オーガニック、天然などは必ずしも「安全安心」ではないようです。
日本の小麦消費における国産の割合は1割強ほど。皆さんもご存知の通りウクライナ情勢や円安なども手伝い小麦粉の価格は高騰しているため、小麦の国産化が注目されています。うどん県の香川では昔から米と麦の二毛作が行われてきています。
しかしながら、麦類の生育後期に降雨が多い日本の気候のため、国産化には赤かび病菌による麦類のかび毒汚染が起こるリスクがあることがわかっています。

イメージ写真:小麦を使用したパン

 

カビ毒とは

カビには有用なものもありますが、カビ毒は、人体にとって有害であることは知られています。
食べたりすると、胃腸炎や嘔吐、下痢などの症状を引き起こすことがあること。 また、健康な人でも感染症を引き起こす可能性があります。特に、カビ毒に感染した人は、高齢者や免疫力の低下した人など、特に弱い人のほうが危険である。
また、少量を長期間食べ続けることによる慢性毒性として、成長抑制や体重減少、免疫系への影響などが懸念されます。

 

特に子供には注意を

赤かび病は小麦によくある病気であり、デオキシニバレノール;DONとニバレノール;NIVが原因です。
食品安全委員会は、日本人が食べる国産小麦、輸入小麦の汚染実態や、それをどのように製粉、加工して食べるかなどの調査結果をもとにDONのばく露量(摂取量)を推定しています。全年齢での平均摂取量は0.09μg/kg体重/日とされています。
 
DON汚染をゼロにすることはできませんが、少量の摂取であれば健康への影響はないようです。内閣府食品安全委員会では、DONの毒性を評価し、耐容一日摂取量(TDI)を1μg/kg体重/日としました。
 
しかし、1〜6歳に限ると、そうではないようです。
95パーセンタイル値が0.94μg/kg体重/日、99パーセンタイル値が1.86μg/kg体重/日。1〜6歳で小麦を多く食べる子ども(人数の5%弱)は、DON摂取量がTDIを超える可能性があるということです。 

 

どうすればいいのか・・・
「化学合成農薬を使うべき」が専門家の結論

2002年のDON調査結果では、国産小麦の方が、輸入小麦よりもはるかに汚染の程度が高かった。国産を推進したい農水省にとっては、あまりにも都合の悪い結果でした。
これは、日本への輸入量の多い北米産小麦は主に、雨の少ない地域で栽培されています。涼しく乾燥していることが小麦栽培には適しており、東欧のウクライナが産地なのもうなずけます。

温暖湿潤な気候で、かつ麦類の収穫期、その直後には梅雨も控えている日本では、汚染の防止・低減には、栽培段階から科学的な対策、つまり化学農薬を使用する必要があるようです。農研機構等の研究から2008年に「麦類のかび毒汚染低減のための生産工程管理マニュアル」をまとめられています。

こうした日本の研究は世界的にも、国連食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)が設置した「コーデックス委員会」が作成した「穀物中のかび毒汚染の予防と低減のための行動規範」にも引用されているそうです。

国産小麦のDONの実態としては、生産者はマニュアルに従って栽培や収穫を行い、自治体やJAなどが収穫後の小麦の検査を行い、基準値を超過する小麦を出荷しないようにされています。
輸入小麦について国家貿易品であり、農水省が検査して買い上げています。

見た目では判断できない影響については、専門家は「麦類は有機栽培せず、食の安全を守ってほしい」と呼びかけています。

ちなみに前述の通りDONの耐容一日摂取量(TDI)は1μg/kg体重/日ですが、子どもの一部は摂取量がこの数値を超える可能性があります。
一方、残留農薬に対しては、許容一日摂取量(ADI)が設定されていますが、摂取量はADIを超えるどころか、ADIの1%にも満たない農薬がほとんどで、特にマニュアルに従って生産された小麦についてはDONのリスクの方が大きいということになりますね。

残留農薬を心配します人は多いかと思いますが、「自然や有機」というとセールストークではなく科学的に根拠に基づく管理がなされた「小麦」の方が低リスクと言えますね。
narino marchéで販売するふぁくとりーNolleyのシュトーレンやベーグルなどで使用する小麦は、産地はこだわりますが、オーガニックにはこだわっていません。
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