熊本天草育ちの「クマモト・オイスター」が食べられる日は近い

熊本天草育ちの「クマモト・オイスター」が食べられる日は近い

2021年もあっという間に1ヶ月が終わりました。
元ボーイング737メカニック・天草の柑橘生産者の筒井洋充です。

今月のnarino 通信のテーマは柑橘との相性が良い魚介類の牡蠣、その中でもシカメガキです。
シカメガキは、かつて輸出品として熊本より米国へ渡り、「Kumamoto Oyster」と呼ばれている牡蠣です。

真牡蠣とクマモト・オイスターを並べた写真

“Kumamoto Oyster”とは

“Kumamoto Oyster”はクマモトの名がついていますが、米国のブランドです。クマモトの名がついた理由は、終戦時まで遡ります。

まずはこの映像をご覧いただくのがわかり易いです。


熊本県水産試験センター制作:原田奨が登場します

米国では、メインに輸入した真牡蠣より、種かきに混ざっていた有明海や八代海にいる小ぶりなカキ「シカメガキ」が、“Kumamoto Oyster”としてひろまったのです。

もともと欧米では大きくなる牡蠣より、一口でツルッと食べられる小ぶりな牡蠣を生で食べることが好まれることから、シカメガキが受け入れられたのですね。

 

”Kumamoto Oyster”プロジェクト

熊本県水産研究センターが不知火海で採取した天然ガキをもとに種ガキを育成。その種ガキを熊本県内の生産者が養殖するというプロジェクトです。

水産研究センターでは、2005年に復活プロジェクトをスタートしています。しかし、真牡蠣や岩牡蠣に比べるとその養殖は難しく、なかなか安定した生産には至っていません。
「シカメガキ」は、汽水域を好むようです。そのため有明海や八代海でも養殖の適地は限定され、さらには夏場の高温など課題は様々です。

そこに同じ集落の若手漁師「恵比須丸」が2020年に参入しました。大きな川ではないですが、河口付近で干満の差が大きい有明海に「恵比須丸」の養殖場はあります。
これまで多くの生産者はその育成に苦労していますが、環境的に恵まれていると考えられ、恵比寿丸のシカメガキは比較的順調に育ちました。それでも3,000粒の種ガキで始めたものが、何らかの原因で死んでしまい1,000を割るまでの数が減っています。

 

なぜ、柑橘生産者が牡蠣を?

陸のものである柑橘と海のものである牡蠣がどうつながるのか。疑問に感じる人もいるのではないでしょうか。

まもなくコロナの流行から、1年になりますね。以前から牡蠣の養殖をしている若手の漁師が近所にいることは知っていました。昨年のコロナ禍で迎えたゴールデンウィークに牡蠣好きの私が彼のところに買いに行くと、緊急事態宣言(1回目)で岩牡蠣の注文が激減している状況を知ったのです。

幸い柑橘の販売は、巣篭もり需要もありルートが変わったものの、トータルの販売量には落ち込みがありませんでした。同じ集落の水産の状況を知って、何かできないかと思ったわけです。

それまでの恵比須丸の販売ルートは市場や業者を通じたものがほとんどでしたが、私の柑橘等の販売チャンネルを利用して、岩牡蠣の通販を始めました。

 

こうして「恵比須丸」と「天草農工房ふぁお」のコラボがスタート。
その後も、さらに地元で協力していけることはないか模索する中で「シカメガキ」の話が出てきました。

 

試験的な販売を行います!(2021年春)

育てるのが難しいシカメガキですが、幸運なことに先日この「シカメガキ」を試食しました。


動画は2020年12月23日のものです。春にはもっと大きくなることでしょう。

真牡蠣などと異なり、実の白い部分は小さめ。頬張らずに一口でツルッと入るサイズ感と、濃厚な味わいが特徴です。私は、真牡蠣や岩牡蠣よりも好きかもしれません。
オイスターバーでは、白ワインの選択が多いのではないかと思いますが、シカメガキは日本酒が合います。それも淡麗より濃醇系がいいと思いました。

シカメガキの存在をもっと多くの人に知ってもらいたい。

そこで、今回恵比須丸の原田氏と話して、養殖1年目でまだまだ数の少ない貴重な天草有明海産「シカメガキ」を試験的に販売することしました。県の水産試験場の定期的な育成検査も同時に行なっているので全てを出荷できないそうで、わずかですが数量限定でお届けします。
同梱する私が栽培した天草晩柑をレモン代わりにして、天草の海と山を味わっていただきたいと考えています。

一緒に「シカメガキ」を食べてみて、クマモトオイスター復活プロジェクトを次のステージへ進めませんか?

販売開始は2月25日、お届けは3月中旬を予定しております。商品の内容は、オンラインストア「ふぁおのお店」でご確認ください。

 

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